2012年

4月

25日

南端の屋根を安全確実に作業し頑強に施工する

3末の強風で南端の屋根は全壊した

とにかくこれを直さないことには、何も進まないので何とかしたいのだが、落下の危険を冒さずに最強の構造かつ最低のコストで施工する方法について、簡単には考えがまとまらなかった。

 

この場所は過去に2度直し、その都度強度は上がっていったが、まだ十分ではなかったということ。

今回は徹底的に竣工当初の状態を目指しつつ、安全作業に徹することにした。

 

大きな難点はいくつかある。

1.風が吹いている中で19m×3mのシートをどう手なずけるか。

2.屋根に上がらずに施工したい。

3.出費を抑えたいので手持ちの機材だけで作業したい。

4.すべての作業を独りでおこなう。

 

上の写真は屋根に上がらずに手持ちの機材だけで作業するための工夫のひとつである。しかしこれは扱いが難しく、上端で身を乗り出しての作業中にまさに梯子が外れ、宙ぶらりんになってしまった。幸いすり傷だけで生還できたが、金を掛けずに安全に作業するのはとても難しい。

 

 

大きなシートを風が吹く中にて一人で作業する手順については、作業順になるように折りたたんで、少しずつ展開しながら屋根に固定する方法を編み出した。

それを実現するために、強力なクランプが十数個必要だったが、安価で適したものは無かった。そこで100円ショップにて3個105円の大型洗濯ばさみを購入し、これを輪ゴムで強化して目的を達成。画像の左端にある白い物がそれ。

 

このように展開しながらクランプで保持し、下地材にシートを固定していく。

 

すべての作業は下からはしごに登って行うので、幅60cm長さ19mを施工するのに32回はしごを移動しては上って作業し降りて移動しを繰り返すことになる。はしごの重さは10kg、長さは5mあり、1日で19mの一工程を一回やるのがやっとである。

 

しかしこの施工要領が確立したことによって、焦らずに頑強な屋根が作れるようになったので、今度こそ確実な屋根が手に入るのではないかと期待している。

 

2012年

4月

25日

田んぼのテクニシャン

近所の水田では田植え直前ということで、うなったり水を張ったりと忙しく準備が進んでいる。

この画像もありふれた田植え前の水田に見える。

 

しかし少しでも農業を学んだ目で見ると、とんでもないテクニックの賜物であることが見えてくる。

 

水は水平に溜まる。この画像でも水平にひたひたに溜まっているのがわかる。

そしてその水は同じひたひた加減のまま、端から端まで続いている。

 

つまりここの土は完全に水平にレベルが取れているということなのだ。

これをトラクターのオペレーター(お百姓さん)は水糸やレーザー水準器を用いず、感覚だけでやってしまう。何とも信じられないテクニックなのだ。

 

農大でトラクターを扱ったが、とてもとてもこんなことが出来るとは想像がつかないのであった。

 

2012年

4月

13日

カルシウム除去装置

この温室の周囲は温室村組合になっていて、大きな井戸から共用の水道管が走っていて、各温室で自由にふんだんに水が使えるようになっている。

 

農業に使えるかどうかの水質検査を行った記録が残っていて、カルシウムが24ppmとある。これが細霧冷房のノズルを詰まらせてしまっているらしいことが分かったので、その対策を行った。

 

この2本の黒い棒のうち、上には白い楕円の染みがあることがわかる。下には何も無い。この白い染みがカルシウムである。

上の棒には井戸水を垂らし、下の棒には自作フィルターを通した水を垂らしておいたのだ。

つまり大成功ということ。

材料はこれで全部。

茶色の物体がカルシウムイオン吸着剤。この存在を発見し名前、購入ルート、価格を調べるのはなかなか大変であった。

 

また、配管材というものはこれまた独特の規格が複数からみあっているので、しっかり設計しないと接続資材だけでとんでもない金額になってしまうのだ。2年やってようやくポイントがわかるようになってきた。

完成したカルシウム除去装置。

白い筒の上のホースの端から出ている水が、浄化されたもの。

グレーの細長いパイプの中にカルシウムイオン吸着剤が詰まっている。

 

何年持つかは分からないけど、寿命が来たら塩水を流しこむことで再生できるらしい。

2012年

4月

11日

ノズルの顕微鏡写真

顕微鏡写真の撮影なんて、専用のアタッチメントなどを揃えなきゃできっこないと思い込んでいたけれど、あっけなく撮れてしまった。

 

細霧冷房のノズル詰りの様子を見たところ。

左下のゴマ粒のようなのがノズル穴で、直径は0.1mm。

右側の白いのがカルシウムで、穴の中にも同じのが見える。

 

今日は雨なので、このカルシウムを除去する仕組みを製作中。

 

(顕微鏡も望遠鏡も裸眼で覗いて普通に見えるということは、実像が数十cm先にあると考えればいいのだな)

2012年

4月

03日

春の嵐シリーズ

先週の金曜から土曜にかけて嵐が来たが、たったの4日で次の嵐がきた。

これではまるで台風シーズンの沖縄である。

 

その時壊れた温室はまだ何も直しておらず、残骸が風にあおられて二次災害の恐れがあったので、暴風雨の中屋根材の撤去をおこなった。

 

画像は全部裸にむき、下地だけ整骨した屋根の姿。

 

2012年

4月

02日

強風被害

3月30~31の強風で再び屋根が壊れた。

最大瞬間風速は24.9m/sであった。

昨年の台風15号の時は28.8であるから似たようなもの。

画像は東側の全容。

これは西側。

 

つまり東西両方全滅である。

いままで対処療法してきたのも全部パー。

 

脚立に登ったついでにお隣を見ると、全く壊れていない。

しかしよく見ると過去の傷跡がわかる。

 

左から3本目の線が盛り上がってる。

そしてそれを受けているL形鋼がへの字に曲がってしまっている。

風の動きは目に見えないので、どのように舞うとこんな壊れ方をするのか想像がつかない。

 

ちなみに画像には写っていないが、この左側の壁面はぶっ壊れて3人がかりで修理してた。

そしてその部分についてボクの温室は2年前に修理して、今回も無事だった。

隣の温室が今回の風でこわれず、こちらは壊れてしまった要因は2つ。

一つは鋼材固定部材の一部離脱。

これは画像のように針金で結束する。

もうひとつはビニールの固定方法。

補修用強力粘着テープに頼らず、ビスで機械的に結合する。

 

 

鋼材固定部材はこのように付いている。

 

単品で見るとこんなものである。

この画像ではわからないが、くさびを打ち込んで固定する構造になっている。

 

しかしバネ材で出来ているわけではないので、風によって生じる振動で緩んでしまうのである。

この温室は築40年くらいではないかと思われるが、現場工期を短縮すべく、スパナとハンマーだけで組立ができるように設計されている。思想は良いのだが、そのために無理が出ているところが何箇所かあり、このパーツもそのひとつである。

もっとも減価償却期間はとっくに過ぎているのだろうから、文句は言えないのだが。

 

実際に屋根の頂上近くはこの部材がしっかりと残っていたので、屋根の破損も無いことが分かる。

これでまた振り出しということになったが、気分的にはとても楽になった。昨年の台風でかなり派手に壊れて、自信は無いが本気で直したのだがまた今回壊れた。どうしてうまくいかないのか、今回壊れたことではっきりしたのだ。

 

大家さんが引退した当時の状態に戻せば、この温室は使えるのだろうという前提で修理をしてきたのだが、屋根の南端については大家さんも手に負えなかったのだろうと見当がついてきた。

つまり壊れるたびに直すといういたちごっこをしていたのではないか。

 

隣の温室の屋根は今回も無事だったので、正しいメンテナンスを施せば問題なく使えるはずである。