太陽

ロシア人が描いた、昭和天皇の1945年8月15日前後を描写した作品である。宮城地下にある退避壕での生活や御前会議、そしてマッカーサーとの対面などを通して、まだ多くの国民から神として崇められていた天皇の苦悩や国民に対する思いが上手に描かれている。

 

仮にこの作品の主人公がムッソリーニやヒットラーであったなら、日本人のボクの目には「そういう独裁者がいたのだな」としか写らないと思う。ところが日本の天皇となると異常なまでに親近感と思い入れを持って観てしまう。更に終戦というその時に何があったのかということに、強烈に興味を抱いていることに気付かされる。

もちろん天皇は神ではないのだけど、自分が天皇という存在をどう感じているのかということを客観的に理解させてくれた。

 

楽しいという意味ではない、とても面白い映画である。