スズキスイフト

ほんの数日前、スズキはVWとの提携を解消したばかりだ。今回車検の代車でスイフトに乗ることができ、VWがなぜスズキと組みたがったのかが分かった気がする。

VWはコストダウンについての着眼プロセスを学びたかったのではないかと思う。とにかくスイフトは安いのである。1200㏄エンジンで130万円前後。とても130万円とは思えない質感と走りを備えているのだ。

 

もちろん国産車でこのクラスだとトヨタヴィッツ、ホンダフィット、日産マーチ、マツダデミオというぐあいに各社出そろっているけど、VWでも手が出せたのはスズキだったのでしょう。

ボクはこのクラスのクルマはひとつ前のヴィッツと30年前のマーチしか乗ったことがなくて、まとも比較できるのはヴィッツしかない。あとは今乗っているアウディA3かな。

 

スイフトは今ので何代目かわからないけど、最初の頃は男性向けを意識していたように感じた。一方ヴィッツやマーチは女性向けだと思った。現在のヴィッツは最初程は性別を意識しなくなったけど、でもまだ男性っぽいように思う。

乗り味も同様でショックアブソーバーは硬めだし、アンチロールスタビライザーも太い様に感じた。

問題があると思ったのは硬くてもスムーズに足が伸び縮みするならいいのだけど、ストロークはあまりせず更にフリクションが大きくて妙に突っ張って、ボディーの姿勢が前後左右に乱れる点である。

良く観察してみるとサスが固いのではなく、動きが渋いのである。やはり安物ということが分かってしまった。

 

ギアはCVTだったが、スムーズな動作には感心した。しかしサスのテンポとはマッチせず、通常のトルコンの方がキャラクターに合うように感じた。

 

数年前に乗ったヴィッツは良い印象のクルマだった。エンジンが小さいのだから無理をせず、限られた範囲のパワーやサイズで心地よく楽しく乗れるクルマだった。これと比べると今回のスイフトはちょっと気合のベクトルがあれこれ合わないまま商品になってしまった感がある。

しかしそうは言っても130万円程度でこれだけのクルマが出来てしまうのだから、大変な技術力である。