日本初の自作安価細霧冷房(当社調べ)

細霧冷房という発想自体は何も特別なことはない。水が気化するときに奪う熱を利用して気温を下げようというわけだ。よく知られているのは夏の打ち水がある。

 

畜産では厩舎内にスプリンクラーで水をまいて気温を下げることを前からやっている。床はコンクリート張りで排水設備も完備しているから、問題ない。

 

しかし温室内でスプリンクラーを使うと、単にびしょびしょのドロドロになってしまうだけで、涼しくはなっても作物は台無しである。

 

局所的に涼しくする目的で、大型扇風機+噴霧器という製品もあるが、ボクの温室面積を賄うには現実的ではない。

 

温室で現実的に細霧冷房を導入するためには、読んで字のごとく「とても細かい霧を作る」ことが必要なのだ。霧の水滴が細かいほど、早く水蒸気になるからである。

 

国内に少しだけ本物の細霧冷房を扱っている企業があって問い合わせてみたが、まず温室での実績が無い。つまり売る人もやったことが無いので自信を持って説明できない。

それでも見積もってもらうと、桁が合わない。ノズル単品ならたいしたことは無いが、高圧に耐えるチューブやカップリングを加算していくととんでもない額になってしまうのだった。

 

どうやら彼らは海外から主要パーツを輸入しているらしいことが分かったので、あれこれリサーチしてドンぴしゃりの品物を見つけた。

更にそれを実際に細霧冷房システムとして完成させるのに必要なカプラーや配管も国内海外問わず調べ尽くして、現実的な価格で完成させることができると分かった。

 

ただし、出来合いのものではないので、多くのパーツは手作りである。

そして今日、ノズルとフィルターとカプラーを一体化したパーツが全数完成した。既に二次配管の設置は終了しているので、このパーツを取り付け、一次配管を終わらせれば試運転である。

 

機能的に完成された機械は美しいというが、これも良くできている。